
公開日2026年7月16日
①取組の目的
本取組は、秋田県にかほ市において、二地域居住希望者が一度限りの体験にとどまらず、にかほ市を「何度も訪れたい地域」として認識し、地域事業者や地域住民と継続的に関わるための地域密着型の受入モデルを構築することを目的とする。
にかほ市では、鳥海山と日本海に代表される自然資源に加え、農業、漁業、観光業、アウトドア、飲食、宿泊、生産業等の多様な地域資源を有しており、二地域居住希望者に対して、単なる観光ではない「地域と関わる滞在」を提供できる可能性がある。また、日本航空株式会社及び東日本旅客鉄道株式会社が実施する「東日本、二地域暮らし」や、ANAあきんど株式会社が実施する二地域居住関連事業等を契機として、にかほ市が二地域居住の体験先・受入地域となる機会も生まれている。
一方で、現在の受入体制は、農家民宿等の一部の受入先との個別連携にとどまっており、市内の多様な地域事業者を巻き込んだ受入体制、二地域居住希望者と地域側のニーズを調整する仕組み、初回訪問後の再訪を促す導線は十分に確立されていない。特に、初回訪問時に地域との接点をつくり、「また来たい」「次は別の形で関わりたい」と感じてもらうための具体的な関わりしろの整備が課題である。
本取組では、二地域居住の成果を定住に限定せず、まずは二地域居住者がにかほ市を繰り返し訪れ、地域の人・仕事・暮らし・産業と継続的に関わる状態を目指す。そのために、「一宿一飯の恩義」をコンセプトとして掲げ、来訪者と地域事業者が金銭的な消費・受入関係だけでなく、互いに役割を持ち、助け合いながら関係性を育てる相互扶助型の滞在モデルを実証する。
具体的には、①地域の受入事業者との連携体制の構築、②若年層向け「一宿一飯の恩義」型滞在モデルの構築、③二地域居住コーディネーターの育成を一体的に実施し、にかほ市における地域密着型の特定居住支援法人モデルを構築する。
②取組の概要
本取組では、にかほ市内の宿泊業、農家民宿、飲食店、農業者、漁業者、観光事業者、アウトドア事業者、生産業、地域団体等を対象に、二地域居住希望者を受け入れるための地域資源及び受入可能性を調査・整理する。その上で、各事業者が二地域居住希望者に提供できる「関わりしろ」を可視化し、来訪者の属性・関心・スキル・滞在目的に応じて適切な受入先をマッチングする仕組みを構築する。
ターゲットは、二つに分けて設定する。第一のターゲットは、既存の二地域居住体験プログラム等を通じてにかほ市を訪れる二地域居住関心層である。この層に対しては、初回訪問時から農家民宿、農業者、漁業者、観光事業者、飲食店、地域住民等との接点を設計し、次回訪問につながる具体的な関わり方を提示する。
第二のターゲットは、20代後半から30代前半の若年社会人層である。この層は、今後の働き方や暮らし方を見直す時期にあり、地域との関わりに関心を持つ可能性が高い一方で、宿泊費や滞在費が継続的な訪問の障壁となりやすい。そこで、若年層に対しては「一宿一飯の恩義」を軸とした相互扶助型の滞在モデルを設計し、地域事業者の手伝い、地域活動、情報発信、イベント運営等への参加と、宿泊、食事、交流、地域の暮らしに触れる機会を組み合わせる。
本取組により、外部の二地域居住関連事業によって生じる来訪機会を、にかほ市側で受け止め、単発の訪問ではなく、再訪と継続的な関係形成につなげる地域内受入モデルを構築する。