
公開日2026年7月16日
①取組の目的
北海道釧路市は、夏季冷涼な気候を背景として、避暑を目的とした大都市圏シニア層の長期滞在ニーズが高く、北海道「ちょっと暮らし」において14年連続で利用者数・延べ滞在日数ともに全道1位(令和6年度:延べ滞在日数30,572日・利用者2,719人)となるなど、長期滞在の実需が顕在化している。
一方で、長期滞在者向け「住まい」の供給が大きく不足している。宿泊施設は夏季に高騰し、一般賃貸は年間契約が前提のため、夏季3ヶ月程度に集中する長期滞在ニーズとのミスマッチが生じている。市内には約12,000戸の空き家が存在するが、令和6年度に長期滞在向に提供された物件は163戸にとどまる。
本取組は、「需要・空き家ともに存在するが十分活用されていない」構造的課題を解決するため、特定居住支援法人が中間支援主体として機能し、会員制・管理代行を組み合わせた「安心管理型・関係人口居住インフラ」モデルを実証・確立することを目的とする。本取組は17年にわたり地域の事業者(くしろ長期滞在ビジネス研究会、令和8年度63会員)によって蓄積された実需・利用者ネットワーク・知見を基盤とするものであり、新規の需要創出ではなく「宿泊型」から「生活型居住」へ発展させる実装段階に近い実証調査である。
②取組の概要
特定居住支援法人が中間支援主体となり、インフラ全体を構成する4つのモデルを体系的に設計・検証する。
(1)安心管理モデル:利用者限定・管理代行・最低保証によるオーナー不安解消
(2)生活型長期滞在モデル:地域コミュニティ接続・段階的関係人口化
(3)中間支援モデル:オーナー支援・利用者支援・地域調整の一体化
(4)持続可能な財源モデル:管理受託収入・会員収入・ふるさと納税活用等の組み合わせ
モデル作成後には限定的な試行運用(会員登録受付・物件マッチング試行・管理代行試行)を実施し、実際の利用者・オーナー双方の反応を実証する。会員制や共同運用に関わる法制面も確認し、他地域でも活用できる標準契約モデルを成果物として整備する。